表題のとおりである。
詳しいことは今さらの感があるため詳しく記さないが、まるで砂の山を崩すように一瞬のできごとであった。たしかに、改正法のスケープゴートであるとか、一罰百戒であるなどの声はあるが、同じように、同社の手法を非難する声もまた大きかった。法を犯したことは紛れもない事実である。
賃貸事業と消費者金融事業に専念することになる会社の行く末よりも、グローバリー陸上部の野口みずき選手の行く末を気にかける記事が圧倒的に多いのは気になるが、残念ながらこれが商品取引業界が直面する現実である。同じく自主廃業を選択した山一證券の記憶はとうに霞んでしまったが、こんなにあっさりしたものではなかったはずだ。経営者はともかく、残された社員を気にかける社会の声が少なからずあったはずだ。友人に「山一レディー」がいたからそう感じるのだろうか?彼女はモルガンスタンレーへと移籍していったが・・・。
果たしてグローバリーの自主廃業により流出した資金は次にどこに流れるのであろうか?商品取引業界にまた戻ってくるであろうか?残念ながら期待できないといわざるを得ないのではないだろうか?日商協に提出される取引員提出書類の「委託者の状況」を見ればわかるように、多くの人が一瞬取引に参加しただけですぐに市場を離れてしまう。例えるなら今流行りの「アキバ系」か。一部の熱狂的な人間に支えられているのである。
それゆえに取引員の新規絶対主義の営業活動があるといっていいだろう。もちろんどんな会社であっても新規顧客の獲得は絶対的な命題であり、目標である。しかし新規市場参加者の数値と市場離脱者の数字が同じような状況は、とてもとても普通の状態であるとは言いがたい。取引員は目先の利益に走らず、継続的な取引を行う努力を今以上にするべきである。もし、今でもその努力を行っているとするならば、それではまだまだということである。
新たな市場参加者を多く取り込める魅力的な市場、一度離れた人の心をもう一度惹きつけるような魅力ある市場とはどのようなものであろうか?極端なことを言ってしまえば資産運用などしなくとも人間十分に生きていけるのである。
これだけ問題提起をしておきながらこれといった明確な答えは持ち合わせていないのだが、少なくとも今のままではダメであろう。
お客様が喜んで手数料を支払ってくれるような業界にできれば、業界的に有益とは言いがたい「手数料引き下げ競争」も招かずに済むのではないかと思うのである。
そういった魅力ある市場作りに外野からではあるが協力していきたいと思っている。
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