10/80=12.5%

TRADER-Japanに掲載している「独立系」と区分しているFX取引企業で、8月のサイトオープン以降に破産手続きの開始、もしくは金融庁による業務停止命令を受け破綻した企業の数である。

金融庁のWebサイトにはこれ以外にも同様の処分を受けた企業が掲載されているので、すでに知っている方も多いと思うが、どちらにしても尋常な数値ではないことは理解できるであろう。（単純な確率論で表現してしまうと、新しく取引を始めようとする一般投資家の8人に1人は外れくじを引いてしまうのである。）

正確には1998年以降ということになろうが、これまでの間に一般投資家が以下に脆弱な状態でFX取引を行っていたかがうかがえる。タイムリミットまでにさらに破綻する企業も確実に現れるであろうことは容易に予想できる。ぎりぎりまで営業を行い、平○電○のように「計画倒産」といわれるような事態を招く企業も必ず現れるだろう。

FX取引企業の破綻による一般投資家の被害による「FX取引全体のイメージダウン」は相当のものがある。しかしながら、このような事態であるからこそ、監督省庁はFX取引を実施する企業に今以上に厳しい目を向けていて欲しい。そして、この監督の目は一過的なものではなく、FX取引が今以上に一般投資家に浸透し、十分な市民権を得られる時まで継続的に行われることを希望する。そして一般投資家は臆することなくFX企業に対し今まで以上の誠実さを要求して欲しい。そのうえで声を大にしていいたい。「誠意なき企業は去れ」と。

「金融ビックバン」などという言葉はすでに死語になってしまったが感もあるが、商品先物取引を始め、FX取引など、一般投資家にハイリスクな金融商品を勧める立場にある商品取引員やFX取引企業ににおいてはゼロからのスタートではなく、マイナスからのスタートである。

この国において、投資という言葉自体がやっと認められた状態であり、利殖などという言葉はルースベネディクトの言うところの「恥の文化」であるこの国ではタブーに近いものがあった。その状態の中で数々の金融商品にかかわる事件は起き続けた。しかしながら原則論に戻るのであれば、投資はあくまで自己責任なのである。

今後このような事態による被害を防ぐためにも金融教育が重要なものになってくるであろう。小学生や中学生に限らず、すべての年代において金融教育の充実が求められる。「証拠金取引とはなにか」「FX取引とは何であるか」「商品先物とは何であるか」「投資とは」「資産運用とは何であるか」をきちんと理解していれば「単純な甘い言葉で勧誘された取引」がいかにバカげたものであるかは容易に理解できると思われる。（ 誤解を恐れずにいえば、自己責任の範疇でくくられるであろう基本的な部分までの危険負担を、商品取引員やFX企業が負う必要はないとも（私は）思っている。）

だからこそFX取引企業や商品取引員には誠実な対応を行って欲しい。その積み重ねが何よりのイメージアップであり、市場の拡大につながるものであると信じている。