唐突だが「TRADER-Japan」は株式会社オフィス・バムが運営している。代表取締役は千葉友栄、この文章を書いている私である。

このオフィス・バムという会社は何をしているかというと、「TRADER-Japan」の運営はもちろんだが、単なる「商品取引・FX取引のポータルサイトの運営」ではなく、「TRADER-Japan」上のメール相談やWebモニターなどの意見から、それを商品取引業界やFX取引業界に「ユーザーの声・意見」としてフィードバックさせることも行っている。一般にユーザー調査といわれる手法である。

そのほかにも市場調査や商品取引やFX取引といったハイリスクな金融商品が「どうやったら売れるか？」「どこに売れるか？」といったように営業方法に関するコンサルティングなどを行い、商品取引業界、FX取引業界をその外側からバックアップしていこうとする会社である。

従来商品取引やFX取引という業界はいわゆる「マーケティング」に全くといっていいほど縁がなかった業界である。この世界の営業において必要とされるものは「一日中電話をかけ続けることができる気力と受話器を持ち続けることができる体力」そして「電話の相手（お客ではない）に何を言われても、どんな対応をされてもへこたれない根性」のみであったと思われる。現在でもある取引員の営業部の壁には「新規は粘りで出せ！」といった張り紙が貼ってある世界である。

そういった状況が変わり始めた。その変化をもたらした力の源は業界内部から発生したものではなく、昨年5月の「商品取引所改正」であり7月の「金融先物取引法改正」といった外部からの力であった。この法律の改正により、今まで数十年の間当然のようにやってきた多くのことが「違法行為」となってしまったのである。

陳腐であり、また業界関係者には失礼な言い方になってしまい申し訳ないが、こういう状況になれば「頭を使った営業活動」が必要になってくる。「気力体力一本勝負の営業」ではない「マーケティングの力」を利用した営業活動である。そしてそのお手伝いを私たちは行っている。（そしてそのツールの一つがサイト上で集めているユーザーの皆様の貴重な声である。）

昨年秋の本格的な開始から、延べで50社以上の企業を訪問した。マニュアルなどはない。地道に会社を訪問し情報を集め、企業の声、ユーザーの声を拾い続けることだけである。

この業界の市場規模はあきれるほどに小さなものである。そして信用という面では、同じ取引所取引である株の取引に大きく水を開けられてしまっている。今のような状況がもしこのまま続いていくのであれば、この業界に未来はない。もちろんこれは業界のみならず、私たちの会社の死をも意味する。

マーケティングとはイコールアンケート調査ではない。例えばとあるマーケティング会社は「携帯電話をどちらの手で、どちらの耳で使う？」といった調査を行ったようだが、このようなう調査はどうでもいい話なのである。もちろんこのマーケティング会社も宣伝の意味をこめて調査したものと思われるが、私たちははっきりいって こんな「どうでもいいこと」に時間をかけたりはしない。

私たちがやろうとすることは商品取引やFX取引のようなハイリスクな商品を一般投資家に「どうやって受け入れてもらうか？」を取引いただいている会社の事情に応じ、その会社の人と共にに考えることである。そして、それはそのまま「取引に対する誤解や偏見をなくす作業」でもある。

私たちのサイトを利用している（正確にはメール相談を利用した）77.8%のユーザーは取引自体に興味は感じているものの、取引の経験がない。多くの人が取引をしてみたいと思いつつも足踏みしている状態である。その一番の障害となっているのは、取引に対するイメージの問題である。

だからこそ、私たちは「業界全体を見てください」「目先の入金はもちろん大事ですが、長期的な視点も大事にしてください」といったことを商品取引やFX取引に関わる企業に訴えている。そして私たちがやっていることを理解していただき、実際お取引いただく会社はもちろんあったが、この状況になってもなお旧態依然とした会社もまた多かった。話が通じないのである。（「金出すからお前のユーザーの名簿をよこせ」といわれた会社も一つや二つではない。）

We are the "Ring",between Company and Investor.

私たちのテーマである。私たちが提供する無形の商品が回り始めたとき、業界が一歩進んだ証となると信じている。

書くのが遅くなってしまったが、以上が私たちのやりたいこと、つまりは「ビジネスモデル」である。