さて、FX取引とは「外国為替証拠金取引」であり「外国為替取引」
ではありません。微妙ですが「証拠金」という部分が違います。この「証拠金」とはいったい何者でしょうか?
みなさんが書店に行ったとします。そこで500円の本を買おうと思ったらいくら払わなければならないでしょうか?小学生どころか幼稚園の児童でもわかります。当然500円です。これが私たちが通常行う現物取引です。現物取引では等価交換が基本です。
証拠金取引の世界は違います。500円の本を買おうと思った場合でも50円で済んでしまいます。なぜそのようなことが可能なのでしょうか?
答えは50円を担保に銀行から500円を借りたのです。お金を借りる条件は毎日きちんと利子を支払うことです。おかげであなたは支払った金額は50円ですが、代金500円の本を買うことができました。
ただし、借りたものは人としてきちんと返さなければなりません。残念ながら手もとにはその買った本以外にものがありません。そこでその本を古本屋さんに売ることにしました。そこであなたは驚きます。なんとその本にはプレミアがついており、600円で売れました。あなたの手元には100円が残ることになります。なんと50円が倍になりました。
ここでの50円が証拠金(「保証金」の名称の場合もあります)というもので、このようなシステムでの取引が「証拠金取引(保証金取引)」です。
その1でトラベラーズチェックの例を出しましたが、あの場合は外国通貨の現物取引になります。現物取引ですので、100ドル分のトラベラーズチェックを買うには100ドル分の日本円と手数料が必要になります。
証拠金取引の場合はどうでしょう。証拠金取引においては代金全額(丸代金といいます)ではなく、その何分の1かの証拠金で取引を行います。さきほどの50円です。FX取引の世界では「10ドル分の証拠金を担保に、毎日利息を支払うことを条件として100ドル分の日本円を借りて、100ドルを買う」ということを行います。
証拠金取引においては1/10から1/100の証拠金で取引を行うことができます。つまり外国為替証拠金取引(FX取引)とは証拠金の10-100倍の額の外国為替取引を行うということです。先ほどの書店の例の場合は50円で500円ですから10倍です。
ただし、先ほどの例の場合では600円で本が売れましたが700円の場合、550円の場合はどうでしょう?逆に480円の場合はどうでしょう?これが証拠金取引というシステムが「ハイリスク・ハイリターン」であるゆえんになります。
それではFX取引とは具体的にどのように行うものなのでしょうか?FX取引を利用した資産運用を考えている川瀬さん(仮名:会社員:52歳)の例を参考に、FX取引企業の選択から、実際の取引の流れまでを見てみましょう。
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