今回からはちょっと趣向を変えて、上場商品にまつわるちょっと面白い話題を書いてみたいと思います。
第1弾は「金」についてです。
金のカテゴリページの説明にもあるように、金は古代から世界中で財貨の象徴として扱われています。例外というわけではありませんが、金を「あがめる」比率が他国と比べて低かったのが日本です。その理由は、日本では他国以上に金が多く産出されたからです。マルコポーロが日本を「黄金の国」と述べ、幕末の開港後の時期には日本の金と銀の比率の低さから、多くの金が国外に流出したことは日本史で習ったと思います。
さて、この金ですが、20世紀以降、その優れた電気伝導性から工業材料としても重要な役割を果たしています。わかりやすいところでいうと、皆さんがお使いの携帯電話をはじめとする、電化製品の基盤には金をはじめ、多くのレアメタルが使われています。
ですので、機種変更をして使わなくなった携帯電話をかき集めて、それを溶かしたりして分離すれば純金を抽出することができます。といっても、1キロの「金の延べ棒」を産出するには約7トンの携帯電話が必要になります・・・。ちなみに約7トンというと、携帯電話一台が150グラムとして約45,000台です。興味のある方はこちら(横浜金属商事株式会社のサイト)をご覧ください。
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もちろん金は金鉱山でその多くが産出されます。では、皆さんは金がどの程度の割合で産出されるかご存知でしょうか?
つまり、1トンの土の中にどれくらい金が含まれているかです。1トン土を掘り返したら10グラム?100グラム?それとも1キロ?
答えは、標準的な金鉱山で1トン当たり3-5グラムといわれています。 |
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年間約約8トンの金を産出する鹿児島県の菱刈鉱山では1トン当たり約40グラム、世界最大の金鉱山で、年間約90トン近い金を産出するペルーのヤナコチャ鉱山では、1トン当たり0.9グラムです。なお、菱刈鉱山は日本で唯一稼動している金鉱山です。
「あれ?」と思われた方はいませんか?前述の携帯電話の場合は7トンで1キロの金を産出できたはずです。1トンあたり150グラムです。実は携帯電話のリサイクルは非常に効率的な金産出の方法でもあったのです。(もちろん金の抽出量という側面だけの話です。)
次回は「白金(プラチナ)」についてお送りします。
東京金 取引要綱 |
取引所 |
東京工業品取引所 |
標準品 |
純度99.99%以上 |
呼値 |
1g |
呼値の単位 |
1円 |
取引単位 |
1kg |
受渡単位 |
1kg |
取引方法 |
システム売買による個別競争売買(板合せ方式+ザラバ方式) |
取引時間 |
前場:9:00-11:00 後場:12:30-15:30 |
限月 |
6限月(12箇月以内の偶数月) |
納会日 |
受渡日から起算して4営業日前 |
受渡日 |
毎偶数月の最終営業日 |
取引証拠金 |
90,000円 |
値幅制限 |
60円 |
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