今回は大豆です。
商品取引において、現在の主力商品は「とうもろこし」と「大豆」です。大豆は遺伝子組み換えでない大豆(Non-GMO大豆)と一般大豆の2種類が上場されていますが、今回はこの「GMO」という用語に注目したいと思います。
GMOとは「Genetically Modified Organism」の略称で、日本語では「遺伝子組み換え作物」と訳されます。基本的に遺伝子組み換え技術は除草剤や病害虫に強い品種を目指して行われています。「Non-GMO」ですから、こちらは日本語では「遺伝子組み換えでない作物」ということになります。
穀物市場においては「穀物メジャー」と呼ばれる大企業の動向が注目されていました。一般的にカーギル、コンチネンタル・グレイン(以上アメリカ)、ブンゲ(オランダ)、ルイ・ドレフェス(フランス)、アンドレ(スイス)の5社が「五大穀物メジャー」と呼ばれていましたが、ADM(アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド:アメリカ)によるドレフェス買収、カーギルによるコンチネンタル・グレインの穀物部門の買収などの再編が進み、現在ではカーギル、ADMのビック2にブンゲが続くといった状況です。
もちろんこれらメジャーの影響力は今でも大きなものに変わりはないのですが、現在注目されているのは「アグリバイオ企業」と呼ばれる、遺伝子組み換え技術を駆使し、穀物などの種子を開発する企業です。
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「ラウンドアップ」を使用した大豆畑
(写真はモンサント)
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穀物を栽培するには当然「種」が必要です。上に書いた穀物メジャーが「出来上がった」商品を牛耳る会社ですが、同様に種の世界でも、大手企業による独占が進んでいるのです。
遺伝子組み換え技術は病害虫に強い品種を作ることがそもそものスタートでしたが、これをビジネスに応用していくようになります。特に有名な技術がモンサントが開発した「ラウンドアップ」です。(ちなみにこのモンサント社は、カーギルから中南米やアジア、アフリカ地域などでの種子事業を買収しています。また、「サッカリン」や「枯葉剤」を開発したことでも知られています。)
「ラウンドアップ」とは除草剤の名称です。この除草剤は非常に強力で、散布すると雑草だけでなく、全ての植物を枯らしてしまうのですが、遺伝子組み換えを行った種子はラウンドアップに対する耐性を持っているために枯れないのです。
遺伝子組み換え技術は、このような「種子と農薬をセットで販売」するビジネスモデルを可能にしました。 |
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遺伝子組み換え技術も強烈なものになると、採取した種子を使用できなくしてしまう技術なども存在します。種を蒔けば普通に作物は採取できるのですが、その採取した作物から採取した種は、発芽しないようにされているのです。
遺伝子組み換え作物はこのモンサントとシンジェンタの影響力が非常に大きく、また、世界の種子市場は上位10社で、半分以上が独占されているというレポートがあります。
これらのアグリバイオ企業が、かつての石油メジャーや穀物メジャーのように、市場で大きな影響力を与える日も近いかもしれません。
東京一般大豆 取引要綱 |
取引所 |
東京穀物商品取引所 |
標準品 |
アメリカ産黄大豆未選品 |
呼値 |
1トン |
呼値の単位 |
10円 |
取引単位 |
50トン |
受渡単位 |
50トン |
取引方法 |
システム売買方式による板寄せ方式 |
取引時間 |
前場1節:9:00 前場2節:10:00 前場3節:11:00
後場1節:13:00 後場2節:14:00 後場3節:15:00 |
限月 |
12か月以内の偶数月 |
納会日 |
当月限の属する月の15日 |
受渡日 |
当月限納会日の3営業日後から当月限最終営業日 |
取引証拠金(先限) |
60,000円 |
値幅制限(先限) |
800円 |
東京Non-GMO大豆 取引要綱 |
取引所 |
東京穀物商品取引所 |
標準品 |
アメリカ産非遺伝子組換え黄大豆I.O.M未選品 |
呼値 |
1トン |
呼値の単位 |
10円 |
取引単位 |
10トン |
受渡単位 |
10トン |
取引方法 |
システム売買方式による板寄せ方式 |
取引時間 |
前場1節:9:00 前場2節:10:00 前場3節:11:00
後場1節:13:00 後場2節:14:00 後場3節:15:00 |
限月 |
12か月以内の奇数月 |
納会日 |
受渡日の属する月の前月15日 |
受渡日 |
受渡月の1日から末日まで |
取引証拠金(先限) |
12,000円 |
値幅制限(先限) |
800円 |
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