「そんなに値段って変わる?」
正解です。実は私たちの生活ではほとんど影響を受けることはありません。それは商品先物市場が機能しているからです。石油元売会社や農作物を取り扱う商社がその1やその2で説明したように商品先物市場でリスクヘッジをしていることにより、安定した価格での供給ができているのです。
今から10年ほど前でしょうか?日本列島の記録的な冷夏で秋口にお米の値段が高騰する事態がありました。あのような事態はもし商品先物市場があれば回避されたのではないかといわれています。(新たに上場がほぼ決まりましたが、商品先物市場には現在お米は上場されていません。)
と、いうように、資本主義経済において先物取引は必要不可欠なものではあるものの、「投資商品」という観点で見る場合には、このような先物取引のすばらしい機能は飾りにしか過ぎません。商品先物取引がどんなにすばらしいかを理解しても、極端なことをいえば、私たちの生活は何一つ変化しないからです。
個人にとって商品先物取引の最大の魅力は「資金効率の良さ」です。資産運用の一つに組み込めば、株式投資とはまた異なった世界が広がります。しかしながら、証拠金取引方式を採用する商品先物取引はハイリスク・ハイリターンの投資商品の代表格です。残念ながら商品先物取引は「過去の負の遺産」により、「危険な商品」の代名詞のような存在になっています。
危険な商品の代名詞のようにいわれる商品先物取引ですが、そのほとんどは「本質的な理解不足」からくるものがほとんどです。きちんとその仕組みを理解することにより、はじめてその良さがわかるものであるともいえます。逆に言えば、きちんと仕組みを理解できない場合は決して取引を行うべきではありません。
次回から商品先物取引の仕組みや、実際に取引を行う際の注意など、商品先物初心者の千葉さん(仮名、58歳、会社員)の例を参考に、資料請求など、取引を始める段階から決済までの、実際の流れを見ていくことにしましょう。
雑学:商品先物取引の主な機能
@リスクヘッジ機能 |
その1やその2で書いた機能です。先に売っておくと価格変動のリスクが回避できます。 |
A公正な価格の形成 |
その3やその4で書いた機能です。市場という場で多くの売り買いを行うことで公正な価格を世間に知らせます。 |
B価格発見機能 |
その他には・・・ |
C競争による価格の合理化 |
D価格の平準化 |
E広範囲な需給調節 |
F資源の適正配分 |
G商品担保価値の向上 |
H換金機能 |
I倉庫代行機能 |
J市場覇権の促進 |
K投機資金の活用 |
L大量取引の場の提供 |
M資産運用機能 |
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