今回はガソリンです。
現在の日本の商品先物市場には原油・灯油・ガソリン・軽油の4種類の石油製品が上場されています。その中でも今回のガソリンは多くの一般投資家にとっても値段のイメージがしやすいことから、取り扱い数量も多く、現在の商品先物市場の「メイン商品」であるということができるでしょう。
東京工業品取引所ではJIS規格の「K2202-2」というレギュラーガソリンが50,000リットル単位で取引されています。ちなみに1,000リットル当たりの価格は現在60,000円前後ですので、当然1リットルは60円前後です。ガソリンスタンドでの値段に比べると驚くほどの安さですが、これは石油製品の説明ページにも記載したように、税金が含まれていないためです。
毎日車を利用する人であれば、最近のガソリン価格の高騰は頭を悩ませている問題だと思います。数年前は1リットル80円台だったものが、今は140円前後もするわけですから当然といえば当然の悩みです。
ご存知のように、ガソリン価格には1リットル当たり53.8円の税金(ガソリン税48.6円+地方道路税5.2円)がかけられています。商品先物市場でのガソリン価格は、元売会社の価格に近いものですので、ガソリンスタンドには120円前後で出荷されていることがわかります。この値段に製油所からの輸送費や、ガソリンスタンドの利益を加えた価格があの値段というわけです。
最近ではインターネット上で全国のガソリン価格に関する情報が飛び交ってますので、参考にしている方も多いと思います。日本で最もガソリンの価格競争が激しい地域は、東京・神奈川の国道16号線沿いであるといわれていますが、ここよりもガソリン価格が安い地域があります。それは沖縄県です。
上に書いたようにガソリンにはガソリン税(揮発油税)と地方道路税が課せられているのですが、この値段が沖縄県だけ違う(ガソリン税42.3円+地方道路税4.5円=46.8円)のです。そのためこの価格差の7円ほど、他の都道府県より安くなっているというわけです。
|
あまり実物を見る機会はないと思いますが、ガソリンは薄い紅茶のような赤い色をしています。灯油や軽油と区別できるよう、人工的に着色していることは有名な雑学です。
では、軽油や灯油など他の製品の色はご存知ですか?
答えは、軽油は薄い黄色、灯油は無色透明です。(軽油には着色を行わない場合もあります。)ちなみに自動車用のガソリンは紅茶のような赤色ですが、航空機用のガソリンは緑色をしています。 |
|
これと似たようなことを行っているのが「ガス」です。LPガスは本来無臭ですが、漏れた時にすぐにわかるように、あのものが腐ったような匂いをワザとつけています。
タイトルの「それでも安い!」ですが、確かにガソリンの価格はどんどん上昇しています。しかし、ペットボトルのミネラルウォーターは500mlで150円しますよね。「中東からわざわざ原油を運んで、精製して、それでも1リットル140円なんだから安いじゃないか!」と私は考えるようにしています。ひょっとしたら水が高すぎるだけかもしれませんが・・・。
次回は「とうもろこし」についてお送りします。
東京ガソリン 取引要綱 |
取引所 |
東京工業品取引所 |
標準品 |
JIS規格 K2202-2 |
呼値 |
1kl |
呼値の単位 |
10円 |
取引単位 |
50kl |
受渡単位 |
100kl |
取引方法 |
システム売買による個別競争売買(板合せ方式+ザラバ方式) |
取引時間 |
前場:9:00-11:00 後場:12:30-15:30 |
限月 |
6限月(連続) |
納会日 |
当月限の前月25日 |
受渡日 |
当月限の1日から当月限の末日まで |
取引証拠金(先限) |
135,000円 |
値幅制限 |
1,800円 |
中部ガソリン 取引要綱 |
取引所 |
中部大阪商品取引所 |
標準品 |
JIS規格 K2202-2 |
呼値 |
1kl |
呼値の単位 |
10円 |
取引単位 |
10kl |
受渡単位 |
20kl |
取引方法 |
システム売買方式による板寄せ方式 |
取引時間 |
前場1節:9:00 前場2節:10:00 前場3節:11:00
後場1節:13:00 後場2節:14:00 後場3節:15:30 |
限月 |
6限月(連続) |
納会日 |
当月限の前月最終営業日から起算して4営業日前 |
受渡日 |
当月限の1日から当月限の末日まで |
取引証拠金(先限) |
24,000円 |
値幅制限 |
1,400円 |
1>2>3>4>5>6>7>8>9>10>11>12>13>14>15>16>その17>18>19 |